概要

CGはノイズのない鮮やかな色彩、修整や編集の容易さなどを提供する。3Dにおいてはコンピュータシミュレーションによるリアルな映像、滑らかなアニメーション、実際に撮影セットを作らなくてもよいことによる非現実的な映像が可能であることなどを特徴とする。1995年、映画「トイ・ストーリー」はフル3DCGで作成された初の劇場用長編と銘打って公開されたが、現在では映画に限らずテレビコマーシャル映像やイラストレーション、漫画などあらゆる画像・映像制作に使われる一般的な方法として定着した。実写による映像もコンピュータによって調整が行われることも珍しくない。このように多くの長所をもつが、安易に用いると制作者の持ち味が失われてしまう危険性も同時にはらんでいる。

アプリケーションの中で二つの表現形式が混在しているケースもあり、さらにペイント系アプリケーションは、伝統的な筆や画材をコンピューター上で再現したように手で描くペイントグラフィックと、従来暗室などで行っていたような写真の修整や合成を主とするフォトレタッチの二つに大別される。2DCGで扱われる技術は、イラストレーターや漫画家の効率化と表現の拡大に貢献している。

CADはコンピュータを用いて設計をすること。あるいはコンピュータによる設計支援ツールおよびそれらを統合したシステムのこと。建築物や工業デザインなどの分野でそれぞれに専門化したソフトウェアが使用される。二次元CADと三次元CADに大別されるが、設計図を作成する目的に特化しているので、設計の技術や知識を持っていることが使用の前提となる。レンダリング等のいわゆる3DCGとしての出力には別のソフトの支援を要する場合が多い。

SGIなどの高性能ワークステーションや専用のレンダリングサーバ、時としてスーパーコンピュータなどを用いてレンダリング処理を行っており、大変コストがかかるものであった。その後パソコンの高性能化に伴い、安価で高性能なパソコンを使って分散レンダリングを行う方法が主流となってきている。安価なパソコンをレンダリング専用にクラスター化したものをレンダーファームと呼び、大手プロダクションでは数百台規模のパソコンをクラスター化する例が多くなっている。普段はレンダリング以外の業務用に使われるパソコンを就業時間後にレンダーファームに組み込んでレンダリングに転用することで効率化を図っている例も有る。

CGとWEBサイトの歴史

CGの発展は、2000年前後からのwebサイトの急速な広がりとは切っても切れない関係である。CGとは通常映画や映像またはゲームなどに広く用いられているが、その技術の展開や拡張をもたらしたものはまさにwebなのである。一部のクリエイターのみに作品が発表できる場はなかったのであるが、webという手法を用いて多くのクリエイターが自身のCGを広く世の中に知らせることができるようになった。そこから、あるものはトップクリエイターの目につくことでさらなる技術ステージの階段を昇ることが可能になったのである。


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